2024年8月31日(土)、かの有名なTha Playahが来日します。
日本のHardcore Technoレーベルの1つである、Gemeinschaft of Hardcore様が主催の「Gemeinschaft of Hardcore 2024 -The Blood Covenant-」にて出演予定です。
今回の来日に合わせて、彼の膨大な楽曲の中から、当日流れてもおかしくないオススメ曲を、僕の独断と偏見でご紹介いたします。なお、当ブログの性質上、Millennium Hardcore時代のリリース曲に限定しての紹介となりますので、あらかじめご了承ください。
- Why So Serious?
2009年リリース。
前年(2008年)に公開された映画「ダークナイト」のジョーカーのサンプリングをふんだんに使用した一曲です。
映画のシリアスでダークな空気感を汲み取った曲調や、登場人物らの葛藤や感情を表現したかのような複雑で奥深いメロディ、無駄のない的確なサンプリングが印象的です。
各音に至るまで非の打ち所がない極上の音使いが際立ち、当時のPlayahがいかに洗練され、卓越した存在であったかが伺えます。
なお、Playah=ジョーカーのイメージが確立したのもこの時期からです。
同年出た2ndアルバム「Walking The Line」や2019年の3ndアルバム「Sick And Twisted」でも表紙を飾っています。デビュー初期から掲げているピエロを模したアーティストロゴとの親和性も抜群で、その完璧なマッチングは言うまでもありません。
各種フェスなどでも同様の装いで出演している彼の姿が時折見て取れ、唯一無二の存在感を解き放っています。日本公演でもあのジョーカーフェイスを拝むことができるのか。乞うご期待です。
- Walking The Line
2009年リリース。彼の2ndアルバムのタイトル曲でもあります。
まず目を引くのは0:45~からのキックの凄まじさでしょう。
同年の他アーティストや楽曲と比較しても、その音圧と存在感は明らかに異質で衝撃的です。
とはいえ、粗野な曲ではなく、ブレイク部分では打って変わって繊細でシリアスな雰囲気に。語りやリフレインで徐々に高まる期待感と、ビルドアップの「Come On!」で解き放たれる爆発的なキックとメロディは、まるで脳内に血流が急激に駆け巡るような感覚をもたらします。フロアで流れた暁には、誰もが一緒に叫ばずにはいられないでしょう。
そんな静と動の緩急が非常に印象的な一曲です。
- Still Nr1
2008年リリース。当時の所属レーベル「Neophyte Records」のオーナー、Neophyteとの合作です。
1番の聴き所は透き通った美しく壮大な世界観が印象的なブレイク、その後(2:49~)のSupersawが入ってくる箇所は鳥肌モノ。他のエモーショナルな曲とは一際違った存在感に惹きこまれるでしょう。
派手さや破壊力といった点では他リリースと比べ控え目ですが、奥深く陶酔感のある世界観は余りある魅力です。
2:19~のメロディの元ネタは「ボンベイ」という恋愛ドラマ映画のテーマソング「A.r. Rahman – Mumbai Theme Tune」から。映画の内容は異教徒間の恋愛や対立、和解など宗教間の緊張を描いた作品です。
またボイスサンプリングされている「Nas Feat Olu Dara – Bridging The Gap」は、世代やジャンルを超えた音楽の繋がりや異なる音楽、過去の音楽への敬意などが謳われている曲。
この類似したテーマを扱った作品2種を曲に組み込んでいる点からも、Playah達がこの曲に込めたメッセージや想いが感じ取れると思います。
サンプリング元への深い敬意や配慮を感じる作りにとても好感を覚えますね。難しいテーマを扱った作品ですが、Playah達は持ち前のセンスで見事にHardcoreに落とし込む離れ技をやってのけています。
- Fuck the Titties (The Viper & Tommyknocker Remix)
2006年リリース。ViperとTommyknockerによるリミックスですが、Playah本人も時折プレイするほどの言わずとしれた常連曲、超アンセムです。非常に完成度が高く、1度聴いたら忘れられない中毒性や求心力は数多のハードコアヘッズ達を魅了してやまないと思います。
ただし、どちらかといえばフェスの「Classicフロア」などで流される機会が多いため、今回紹介するの4曲の中だと、Playah自身が流す可能性はやや低めです。しかし名曲ゆえ、他の演者様が流される可能性もありますので、予習しといて損はないでしょう。
以前、曲単体で記事を書きましたので、もしよろしければそちらもご覧下さいませ↓
長くなりましたが、以上が予習オススメ曲4選でした。
作曲者のPlayahやNeophyteはもちろん、Promo、Ruffneck、Panic、Vince、Catscan、Distortionなど、名だたる大物たちが今もなおスピンする名曲です。国内のHardcoreパーティでも時折聴けるほど、今でも根強い人気を誇る曲たちです。
(※Why So Serious?は2017年にAngerfistによって、Walking The LineとStill Nr1は2018~2019年にNosferatuによってRemixされていますので、そちらも要チェック!)
イベント当日、Playah本人が流す可能性はもちろん、他の演者様が流してもおかしくないこの4曲、ぜひ予習して現地に赴きましょう。
なお、Gemeinschaft of Hardcore様の公式Xアカウントでもオススメ楽曲の紹介がなされています。主としてMainstream Hardcoreの楽曲を多数紹介しており、見逃せない内容ですので、合わせてチェックしていただけると幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。当日を楽しみに待ちましょう!
コメント